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ノハナショウブ、自生地急減 日本の「古典園芸植物」を守れ

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2012/7/9 7:00
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 ノハナショウブをご存じだろうか。日本を代表する古典園芸植物であるハナショウブの原種で、大昔から日本に生えていたと考えられている。今が開花の時期だが、自生地は急減している。一方、ハナショウブも近年は栽培が難しくなっているという。専門家はノハナショウブの調査研究を進めて、貴重な日本の植物の保全につなげようとしている。

玉川大の農場では各地から集めたノハナショウブが咲いた(田淵俊人・玉川大教授提供)
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玉川大の農場では各地から集めたノハナショウブが咲いた(田淵俊人・玉川大教授提供)

 東京都町田市の玉川大学。キャンパス内の農場では今年もノハナショウブが紫色の花をたくさん咲かせた。玉川大農学部の田淵俊人教授によると、ノハナショウブは100万年ほど前から日本各地の池や湿地などの水辺近くに生えていた。

 花が咲かないときは細長い葉が伸びて雑草のようだ。「日本人はこうした場所を田んぼにする際に、ノハナショウブを抜いて捨てたりせずに、そばにそっと植え替えて、美しい花を観賞してきた」と田淵教授は説明する。

 紫色の花には「蜜標(みつひょう)」という黄色い模様がある。ここに夕日が当たると輝いて見える。かつて農家の人は田んぼで仕事をしていてその輝きを見たら仕事を終えて夕げの支度に取りかかった。

松平定朝が作ったハナショウブ「宇宙(うちゅう、または、おおぞら)」(田淵・玉川大教授提供)
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松平定朝が作ったハナショウブ「宇宙(うちゅう、または、おおぞら)」(田淵・玉川大教授提供)

松平定朝が作ったハナショウブ「竜田川(たつたがわ)」(田淵・玉川大教授提供)
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松平定朝が作ったハナショウブ「竜田川(たつたがわ)」(田淵・玉川大教授提供)

 万葉集にも登場するように、古くから日本では「花かつみ」という美しい花の言い伝えがある。人々のあこがれの花とされる「花かつみ」はノハナショウブと考える説がある。

 そんなノハナショウブから作られたのがハナショウブだ。江戸時代に育種家が様々な品種を作った。旗本の松平定朝は約300種類のハナショウブを作った。花の色や形が豪華で人気を呼んだ。江戸にはこうしたハナショウブを植えた園が登場し、多くの人が訪れた。

 だが、ハナショウブは株分けで育てるので弱いという。「江戸時代に作られたハナショウブは何回も株分けしているので、このままでは衰えて増やせなくなる」と田淵教授は指摘する。

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