新年明けましておめでとうございます。本年も、潮流の速さに負けないよう、また、流れの方向の急な変化を見逃さないよう、しっかりと羅針盤を見ていきたいと思いますので、どうぞ、ご愛読のほど、よろしくお願い申し上げます。
村上憲郎(むらかみ・のりお)
元グーグル日本法人社長兼米本社副社長
1947年大分県佐伯市生まれ。70年京都大工学部卒。日立電子、日本ディジタル・イクイップメント(DEC)をへて、米インフォミックス、ノーザンテレコムの日本法人社長などを歴任。2003年から08年までグーグル日本社長を務める。
■若い人たちに加担する
さて、新年早々、私事で恐縮ながら、グーグルを退社して丸一年が過ぎました。2003年4月から8年近く、若い人たちの会社を手伝わせていただいたわけですが、退社後も、「若い人たちに加担する」という自分の立ち位置については、逃げも隠れもせずやってきました。
若い人たちには、迷惑がられているかもしれませんし、同世代の皆様には、「若作りしやがって」とお叱りを受けているかもしれませんが、今後も若い人たちを支持していきたいと思っています。
この連載の第5回で「『新しいことは原則許可』がいい! 俊敏さと勇気に満ちた社会に」と題して、日本社会の「新しいことは原則禁止」という慣習に、苦言を呈しました。その中で私は、次のように書きました。
何しろ若者たちは、いつの時代にも、「『禁止すること』を禁止する!」と、心のどこかで叫んでいるからだ。
この主張は、いわゆるパラドックスであり、若者たちは、さしずめ「『クレタ人は嘘(うそ)つきだ』というクレタ人」かもしれないが、この危ういパラドックスを生きることこそ、若者の特権であり、そのエネルギーの源泉の一つである。(以上、引用部分)
私が「若い人たちに加担する」と言う意味は、「この危ういパラドックスを生きる若者たちを支持する」という意味であり、その理由は、「若者のエネルギーの源泉を守りたい」からです。
■未来は若者のもの
そのエネルギーこそが、この国に残された数少ない希望のひとつであるという打算でもあることは否定しません。しかしながら、そうであろうとなかろうと、いずれにせよ、未来は若者のものであることは間違いないからです。
グーグルを手伝うことになった時、当時の最高経営責任者(CEO)だった、エリック・シュミットにいわれた私の役割は、“Adult Supervision(大人によるチェック=監督)”でありました。









