これはプレイステーションポータブル(PSP)やプレイステーション3(PS3)でも行われたことだ。2004年に発売されたPSPの価格は当初2万790円だったが、現在も販売されている最新型(08年発売)は1万6800円となっている。PS3は06年の20GBモデルで4万9980円、現在では160GBモデルで2万4980円にまで値段が下がっている。こうした動きを勘案すると、PSヴィータも数年後には2万円を切る程度の価格設定になってくるだろう。
しかし、課題は立ち上がりだ。任天堂は3月に「ニンテンドー3DS」を発売した時、本体価格を2万5000円に設定して苦戦した。発売当初にガジェット(携帯型電子機器)好きなユーザーが一通り購入してしまうと販売が失速してしまう可能性が高い。
PS3が日本国内で普及が進み「ビジネスになり始めた」といわれるようになったのが、発売から3年後の400万台を超えた09年。「ファイナルファンタジー13」が発売されて160万本のヒットを飛ばし、「龍が如く3」や「バイオハザード5」といった40万本超えるタイトルが出るようになってからだ。
当時のヒットの中心は、DSやPSPだった。PS3は表現能力が高いために、ゲームソフトの開発費が1本あたり10億円を超えるのが当たり前だったために、ゲーム会社からは「割が合わない」といわれ続けた。
PSヴィータも同じ問題にぶつかる。ハード性能と表現能力が高まった分、ゲームソフトの開発費の高騰は避けられない。各ゲーム会社にとって新型のハード向けにソフトを開発することはリスクを伴う。ハードが普及していないために開発費を回収できない恐れがあるからだ。このため積極的にタイトルを投入する動きが滞れば、それがハードの普及を遅らせるという悪循環に陥ってしまう。
■独自OSの保守コストも課題
また、PSヴィータは様々な妥協の結果として作られた製品という側面を持つため、これが将来にわたってネックとなる可能性がある。
SCEは開発の初期段階では、グーグルのOS(基本ソフト)「アンドロイド」を採用することも検討したようだ。しかし、最終的に自社の独自性を守るため、独自OSを開発する道を選択した。
しかも、インターフェースは、これまでのPS3やPSPとまったく違うタッチセンサーを生かす新しいデザインにした。当然、PSヴィータ用のOSは今後もアップデートをし続けなければならない。
PSヴィータとPS3という概念が違うユーザーインターフェースを持つ複数OSを、個別にアップデートし続ける必要があるわけだ。SCEは「ハードの会社」といわれ、OSなどソフト分野の技術力はそれほど高くないと見られている。過去にも製品ごとにOSを新たに設計する傾向があり、それらを統合的なビジネスモデルへと仕上げていく作業がさほど得意ではない。










