福島第1原発「工程表、実現は可能」 仏アレバCEOに聞く
「廃炉作業30年以内に」

2011/4/23付
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都内で記者会見する仏アレバのロベルジョンCEO(19日午後、東京都港区)
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都内で記者会見する仏アレバのロベルジョンCEO(19日午後、東京都港区)

 東京電力福島第1原子力発電所の事故対応にあたる仏原子力大手アレバ社のアンヌ・ロベルジョン最高経営責任者(CEO)がこのほど来日し、日本経済新聞の取材に応じた。東電がまとめた原子炉を安定停止させるための「工程表」について実現可能と評価、廃炉の作業が完了するのは30年以内との見方を示した。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故にも対処した専門企業のトップは福島第1原発の状況をどうみているのか。一問一答は次の通り。

 ――4月19日にアレバが発表した福島第1原発の汚染水処理策のポイントは。

 「我々は最も早く、最適な条件で汚染水の処理に取り組む。処理コストは仏北部ラ・アーグにある当社工場でゆっくり処理するのに比べ高くなるのは間違いない。だが、東電の経営を危うくするほどになるとは思えない」

 ――東電の工程表をどう評価するか。

 「工程表の発表は大きな前進だ。日本のメディアは野心的な目標と報じているが、実現は可能だと思う。工程表はできるだけ早く処理を進めなければならないというニーズを反映したものだ。福島第1原発で早急に取り組むべきことは使用済み核燃料プールから核燃料を取り去ることだ。それからプールの汚染水も取り除かなければならない」

福島第1原発事故の収束に向けた工程表を公表した東京電力の勝俣恒久会長(17日午後、東京・内幸町の本店)=共同
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福島第1原発事故の収束に向けた工程表を公表した東京電力の勝俣恒久会長(17日午後、東京・内幸町の本店)=共同

 ――アレバの原子炉なら今回のような事態は避けられたか。

 「当社設計の原子炉は非常用ディーゼル発電機を4機備えているほか、非常用電源も2系統ある。それぞれ違う建屋に納めている。耐震設計で耐水性も備えている。水素爆発を技術的に避ける解決策も考えてある。(水素を水に戻す)再結合器を提供することも可能だ。福島第1原発は対応が遅すぎた」

 ――最悪のシナリオは避けられたと思うか。

 「悪魔のシナリオにはすでに少し入りかけている。ただ、チェルノブイリ原発事故とは全然違う。

ロボットが撮影した福島第1原発1号機の原子炉建屋1階=東京電力提供・共同
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ロボットが撮影した福島第1原発1号機の原子炉建屋1階=東京電力提供・共同

チェルノブイリでは制御棒が下がらず機能しないまま核分裂が連続して起きたが、福島第1原発では地震が発生したとき原子炉は止まった」

 ――廃炉まで何年かかるか。

 「放射線が全く出ない状態に戻すのに10年以上かかる。効率的に取り組めば、廃炉の作業は30年以内に完了するだろう」

(聞き手は科学技術部 川合智之)

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