携帯電話事業者には敵か味方か 無線LANの逆襲(4)
編集委員 松本敏明

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2010/4/8 9:00
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 携帯電話業界の2010年度は、スマートフォン(高機能携帯電話)で幕を開けた。NTTドコモが4月1日に英ソニー・エリクソン製の「Xperia」を発売し、ソフトバンクモバイルが台湾HTC製の「HTC Desire」、KDDIがシャープ製の「IS01」と東芝製の「IS02」で追いかける。これらの機種にはすべて、無線LAN機能が搭載されている。

ユーザーが3Gと無線LANを使い分け

Xperiaの発売イベントでテープカットするNTTドコモの山田隆持社長(共同)
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Xperiaの発売イベントでテープカットするNTTドコモの山田隆持社長(共同)

 ネット接続を前提としたスマートフォンは、音楽、画像、動画などを扱うアプリケーションを内蔵する。アプリを後からダウンロードして追加する仕組みも備える。大容量のデータを使う頻度が多いため、第3世代携帯電話(3G)のデータ通信網よりも安価で高速な無線LANは必須の機能となる。

 実際、スマートフォンユーザーには、無線LANの活用が浸透しているようだ。NTTドコモで無線LAN事業を担当する後藤義徳ユビキタスサービス部サービス運用担当部長は、「公衆無線LANサービスに接続するアクセス数の3分の1は、スマートフォンとその関連機器」という。

 米アップルの「iPhone」のヒットを受け、日本でもスマートフォン市場への期待が急速に高まり始めた。NTTドコモの山田隆持社長は「スマートフォンは09年度は200万台程度売れたようだ。まだ全携帯電話の1割にも満たないが、米国のように2割程度売れる時代が日本にもそう遅くなく来る」と期待する。携帯各社の力の入れ方から見てもスマートフォンが今年のトレンドとなるのは間違いないだろう。

「無線LANに逃がさないと3G網がパンク」

 携帯電話事業者の中でもソフトバンクモバイルは、特に無線LANの活用に積極的だ。09年11月の発表会で無線LAN機能搭載の携帯電話を8機種発表。孫正義社長は「Wi-Fiのついていない携帯電話は携帯電話ではないといわれる時代が来るだろう」と述べ、以後も携帯電話機に無線LANの搭載を広げていく方針を示した。

「HTC Desire」を発表するソフトバンクモバイルの孫正義社長
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「HTC Desire」を発表するソフトバンクモバイルの孫正義社長

 今年3月には、無線LAN基地局(アクセスポイント)の開設を希望する企業や店舗に無線LANルーターを無償で提供すると発表。ブロードバンド回線を持たない場合には専用のADSLサービスも無料で提供するという。これは携帯電話機が無線LAN経由で接続する経路を増やす後方支援策だ。

 ソフトバンクモバイルがここまで無線LANに傾倒する裏には「トラフィックを無線LANに逃がさないと携帯のネットワークがパンクする」(松本徹三副社長)という事情がある。割り当てられた周波数帯域がNTTドコモやKDDIに比べて狭く、一部のユーザーからつながりにくいと指摘されることが多い同社は、「無線LANを(トラフィックの)緩衝地帯として使い、3Gと合わせて全体としてバランスを取る」(松本副社長)という考えだ。

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